こんにちは、もやしししゃもです。
最近はビットコインのATHの頻度が高く、価格面で盛り上がりを見せていますね。
今1円が何satsか見てみると、7satsくらいです。仮に1satsが1円よりも高価になってしまうと、ミリsatsでなければ円建て換算でマイクロペイメントが少しやりにくくなるように思ったり。そうなると逆に円が合わせる側ですね。
価格関連の話で、今回の記事では僕がビットコインに対して考えている、妄想じみた一つの可能性についてまとめようと思います。
タイトルにある通り「無価格に始まり無価格に終わるビットコイン」です。
意味がわからないかもしれませんが、数年前から僕はビットコインはいずれ無価格になると考えています。この記事を最後まで読むと意図がわかるでしょう。
ビットコインの歴史を振り返りつつ、どのように無価格へ向かうのかを自分の想像で書いています。正直弱気相場に書くべき内容だったかもしれませんが、興味を持たれないだろうと思って書き渋っていました。
単なるポエム記事なので真に受けないでいただければと思います。ご興味があれば読んでみてください!笑
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無価格に始まるビットコイン🌌
ビットコインは無価格から始まりました。
「無価格」という表現は僕が独自に作った言葉です。意味としてはそのままで「価格が付いていない」という状況を指します。無価値というわけではないので無価格としました。
2009年1月3日にSatoshi Nakamotoが、ビットコインのジェネシスブロックをマイニングしました。
ジェネシスブロックには、次のようなタイムズ誌の記事タイトルが書かれていました。
The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for banks
タイムズ 2009年1月3日 まもなく銀行救済に二度目の公的資金注入へ
— Genesis Block
このタイトルには、2009年1月3日のタイムスタンプを押すと同時に、ビットコインに対する理念・哲学が含まれていると言われています。
それにしても、あまりにも都合の良い内容とタイミングかと思います。
余談ですが、一説によるとSatoshiはこのタイムズ誌のタイトルを見てGenesis Blockをマイニングすることを決意したのではないかと言われています。
理由としては、次のブロックがジェネシスブロックの約6日後であり、さらにその次のブロックからは安定したペースでマイニングされています。
タイムズ誌のタイトルがあまりにも良かったので、Satoshiは2009年1月3日にGenesis Blockのマイニングを決行し、それから6日間はテストなどが行われていたのかもしれません。そのため、このタイトルは偶然ではなく、Satoshiが恣意的に選んだのではないかと思われます。
こうして、ビットコインが始まりました。この時点ではビットコインに価格はなく無価格です。取引所もなく、ただ単にコレクションアイテムとしてマイナーや興味を持ったギークが集め始めます。
もしかしたら、ビットコインが最初は無価格だったことを知らない人もいるかもしれません。ビットコインは無価格でも成り立っている時代がありました。ビットコインにとって「価格」という要素は後天的に人間が勝手に付けたものなのです。
初めて価格が付いたビットコイン🍕
2009年1月3日にビットコインがスタートし、同年の2009年10月5日にはビットコインに価格が付きました。意外と早いと思いました。
当時のビットコイン価格は、マイニングに必要な電気料金から算出されました。
ビットコインとドルの交換レートが誕生したことにより、ビットコインマイニングのインセンティブが現実味を帯びてきました。
また、ビットコインに価格が付いた7カ月後の2010年5月22日には、Laszlo Hanyecz氏が1万ビットコインでピザを2枚購入しました。
5月22日は今となっては「ビットコインピザデイ」と言われ、多くのビットコイナーがこぞってピザを購入する習慣が根付いています。
ビットコインに価格が付いたり、ビットコイン自体で決済ができたりと、ビットコインと実経済が結びつき始めた時代です。
ビットコインの市場の拡大📈
しだいにビットコインの経済力や可能性に引き付けられて、色んな人達がビットコインに集まってきました。
大規模マイナー、マイニングマシン企業、マイニングプール、取引所、投資家、ウォレットアプリ開発者、ビットコイン決済が可能なオンラインショップ、などなど。
さらに、ビットコインには半減期という仕組みがあり、ビットコインの最大発行数は2100万枚に限定されています。現在、地球上にいる人口は約80億人であるため、単純に割り算をすると一人あたり0.002625 BTCの計算です。
半減期による供給減少、ハードアセットのような性質から一部の投資家に「デジタルゴールド」として注目され始めます。また、暗号によって守られているので、簡単に政府や権力者、暴力から奪われない資産として重宝されることもあります。
最初は一般の投資家や個人のユーザーが多く、時間が経つにつれて企業が参入し、ビットコインを購入したり、ポートフォリオの選択肢の1つとなりつつあります。マイクロストラテジーがわかりやすい例です。
ビットコインの対象ユーザーは企業に留まらず、国家にまで広がります。エルサルバドルはドルとビットコインを法定通貨化し、国の財産としても毎日1BTCを備蓄しています。
また、大統領選挙の中でトランプ氏が国家戦略としてビットコインを備蓄する発言をしています。
実際に米国がビットコインを備蓄するかはまだまだ疑問視されていますが、覇権国の次期大統領の発言により、ビットコインは国家の備蓄対象でもあるという認識が広まったのではないかと思います。
また、貴金属、株など様々な資産がある中でビットコインは8位~10位付近を動いています。過去にもありましたが、シルバーよりも時価総額が高くなることもあります。
ここまで時価総額が大きくなるとビットコインを無視することが難しくなってきます。最初は無価格で始まったものなのに、今では巨大な価格を付けてしまっています。
個人、企業、国家とビットコインが始まってたった15年でビットコインの裾野が広がりました。誰かがビットコインを気にしようが、気にしまいが、無慈悲にビットコインは約4年ごとに供給を減らし2100万枚へと近づけていきます。
ビットコインが最後の避難先という認識に🚢
ここから先が未来の話、僕の妄想となります。
一部の個人の間では、すでにビットコインは資産における「最後の避難先」と捉えられています。
法定通貨の度重なるインフレーション、それに伴う物価上昇。一方で賃金や手取り収入が物価上昇に追随して上昇するとは限りません。
また、ビットコインに限らず、ゴールド、株式などの資産も当然のごとく価格を上昇させています。数年前の日本人の貯金方法はタンス預金か銀行定期預金だったのに対し、今では株式インデックスのS&P500をまるで貯金先のように購入している人達もいます。
ゴールド、株式、ビットコインがより素晴らしいものになっているのではなく(一部はそうかもですが)、法定通貨の総量が増えることによって、資産に表現される価格が上昇していっている面が大きいです。
上記のような状況の中で、ビットコインは最後の避難先として認識され始めます。人によってはビットコインを「ノアの箱舟」と表現する人もいるかもしれません。(ノアの箱舟と言えど、ビットコインの場合はあらゆる人々に門戸が開かれています)
ノアの箱舟は、旧約聖書の創世記にあるノアの洪水物語に登場する船で、神が人類の堕落を怒って起こした大洪水から人類や生物を救うために、神がノアに命じて造らせた箱形の船を意味します。
ゴールド、株式、他にも不動産や土地など様々な資産がある中で、なぜ最後の避難先としてビットコインが選ばれるかというといくつか理由があります。(もちろん、他の資産は共存すると考えています)
ビットコインは国家に依存していません。そのため、必ず国家に依存してしまう土地や登記が必要な不動産よりも逃避先として優れています。
ビットコインには特定のリーダーがいません。特定のCEOに生命財産を握られる株式に比較してビットコインは逃避先に向いています。CEOやリーダーを分散させる株式インデックスもありますが、ETFや投資信託は特定の証券会社から自分の意思で移動させることはできず、もしもの際には証券会社を信じるしかありません。
そして、ビットコインは重さがゼロでどこからでもアクセスでき、わずかな時間とコストで瞬時に移転させることができます。一方ゴールドの場合、例えば1億円相当のゴールドは7kgであり、重量制限や金属探知機によって空港などで検閲を受けてしまいます。
「最後の逃避先」というのは最善の投資先を意味しているわけではありません。他人への依存が最小限になり、持ち運び、プライバシーなど様々な要素がある中で、ビットコインほど逃避先としての性質を持つ資産は無いのではないかと思います。
また、今後起き得るかもしれないノアの箱舟でいう大洪水の際に、ビットコインであれば自己管理できますが、ゴールド、株、土地などの自己管理が難しい資産であれば混乱に乗じて不当に奪われる可能性もあります。
「最後の逃避先」として認識され始めたとしても価格への影響などは大きく現れず、潜在的な認識の準備がゆっくりと整っていきます。
法定通貨の統廃合💱
時は法定通貨統合期。ドル、ユーロ、元、円など様々な法定通貨がある中で、一部の国の法定通貨が破綻し始めます。
法定通貨は常に他の法定通貨との競争関係にありますが、弱小通貨の場合はドルやユーロに吸収されていきます。個人が仕事などで給料を受け取った瞬間、ドルに交換するといった具合です。
これが加速していくと、瞬く間に法定通貨の競争で弱ってしまいます。法定通貨の価値が弱まると、店舗の価格表示で毎日のように値札を貼り替えたり、単位をドルとするところも出てきます。
同様に、店舗側の決済受け入れ通貨としてビットコインが選ばれることもあります。ビットコインは貨幣としての性質を持ち、様々な決済インフラが開発されているので、やろうと思えばいつでもビットコイン決済を受け付けることができます。
市場のグローバル化が進む中で通貨間競争はより激化します。そして弱い法定通貨が破綻またはドルなどに乗り換え、その度に国家の信頼が揺らぎ始めます。
また、ドルなどの他国の法定通貨へ乗り換えた場合、通貨供給量の増加により甚大な被害を受けます。通常は他国の通貨供給量が増加すると、競争原理により相対的に自国の通貨価値が上昇します。
しかし、例えばドルに乗り換えると、ドルの通貨供給量の増加の恩恵を得られず、購買力の減少に耐え、さらには国内の土地や企業が米国によって購入されてしまう可能性があります。
通貨発行権を他国に委ねるということは、その国の経済的な植民地、言わば「通貨植民地」になるという意味に相当するかと思います。
一方で、不安定な自国通貨を捨てることは、経済の安定化に向けた一つの戦略でもあります。
例えば、エルサルバドルはドルとビットコインを法定通貨にしています。米国のドルに通貨発行権を委ねてしまっている部分もありますが、過剰にドルが発行された際にはビットコインへいつでも移れるように準備をしているとも考えられます。
このようにして、時間をかけて法定通貨は統廃合を繰り返し、いずれは片手で数えられるくらいにまで種類が減っていく可能性もあります。
狂乱のHyperbitcoinization💸
ビットコインが最後の逃避先という認識と、法定通貨の統廃合がHyperbitcoinizationの鍵となっています。
「Hyperbitcoinization」はビットコインが世界における価値基準となる転換点を意味します。Hyperbitcoinizationの歴史については下記でまとめているので、ご興味があれば読んでみてください。
「ビットコインが最後の逃避先」という認識が広がれば広がるほど、ビットコインを購入する人が増え、一方でビットコインを売却する人が減ります。同時に、需給の状況からビットコインの価格も上昇し、世界中で注目され始め、国家や中央銀行も無視できない状況になります。
覇権の通貨が米ドルとも限らないので、統廃合により1つになった法定通貨を覇権通貨と呼び、その国を覇権国と呼びます。
法定通貨を覇権通貨にした国々は覇権国の通貨発行に対して懸念を感じ始めており、ビットコインへ交換したり、ビットコインを法定通貨化する国も増え始めます。
さらには、スーパー、コンビニなど日常決済においても覇権通貨建て換算であるものの実態はビットコインで取引されることが一般化していきます。覇権通貨のインフレへの対策です。
しだいに、覇権国の通貨植民地が減っていき、グローバル通貨としてのビットコインが浮上し始めます。一方で、ビットコインを売る人が減り、大量にビットコインを購入できる場所も限られてきています。
その時に、覇権国は次のような選択肢に迫られます。
自国通貨を維持し続ける
自国通貨でビットコインを購入する
1は今後の経済関係を考えると難しいです。グローバル化が進んだ世界において、使われなくなってしまった通貨では交渉力が弱くなってしまいます。
どこかのタイミングで2の選択肢を選ぶ必要があります。それも、早くしなければビットコインの購入源が失われてしまいます。
2の選択肢を取る場合、せっかく覇権国であれば強攻策を取ります。どのような策かというと、覇権通貨を秘密裏に大量発行しながらビットコインを購入します。自国通貨を捨てる覚悟で、世界中から購買力を吸収しながらビットコインを獲得します。
覇権国は、発行した通貨を各ビットコインの取引所に送り、可能な限り購入して自国トレジャリーへ出金します。無限に発行する準備ができているので、どのような価格でも構わず板が並べられた瞬間に購入します。
同時期かはわかりませんが、各国のビットコインカストディ事業者を買収し、出金を封鎖します。
また、ついでに他国かつ覇権通貨で購入できる資産(土地、不動産、株式、ゴールドなど)を片っ端から購入していきます。基本的にビットコインでしか買えないようにすることで対策できますが、対策が遅いとあらゆるものが覇権国に購入されてしまいます。
このようにして、気が付いた時には覇権通貨が無価値となってしまい、覇権通貨を欲する人がいなくなってしまいます。
犠牲者はビットコインなどの資産を最後の方に覇権通貨と交換した人達、覇権通貨の保有者、覇権通貨の国債保有者です。大量の覇権通貨を手にし、電子的な数値表現に過ぎないため紙切れにすら価値が及びません。
無価格になり「価格」となったビットコイン♾️
ビットコインを覇権通貨で購入することができなくなり、ついにビットコインが無価格となりました。無価格といっても、初期の無価格とは異なり、覇権通貨建ての価格表現が無限に発散したため無価格となってしまいました。
ビットコインは最後の逃避先であり、法定通貨の統廃合における終着点となりました。
一方で、ビットコインによる決済が可能であるため、スーパーやコンビニ、日常的な決済はHyperbitcoinizationの当日からでも通常営業できます。もちろん世界中のあらゆる価格はビットコインの数量で表現されます。
ゴールドや株式、土地などの資産もビットコイン建ての価格で表現されるようになります。
ビットコインは価格表現される対象ではなくなり、ビットコイン自体が「価格」となります。ビットコインスタンダード時代の始まりです。
Hyperbitcoinizationの瞬間は大混乱が起きますが、ビットコインが存在することにより、通貨植民地のような搾取構造が終わりを迎え、ややハードランディングであるものの経済循環は途切れることなく続きます。
まさに「ノアの箱舟」です。ビットコインで難を逃れることにより、大洪水(Hyperbitcoinization)の後もすぐに経済活動を再開することができます。
Hyperbitcoinizationという壮絶な体験は人類史に残り、法定通貨の失敗や教訓などが今後人類で語り継がれていくこととなります。
まとめ:ビットコインの有価格期間は珍しいかも?⏳
無価格から始まったビットコインの歴史を振り返りつつ、今後どのように無価格へと向かうのかを個人の妄想として書いていきました。ストーリーとしてはHyperbitcoinizationが起き、ビットコインスタンダードの世界が始まるというものです。
こんなに都合良くトントン拍子に行かないと思いますし、ビットコインを裏付け資産として既存のドルなどの法定通貨が使われる可能性の方が高いのかなと思います。
でも、無価格に始まり、無価格に終わったら何かカッコイイなと思います。笑
よく、ビットコインには適正価格が存在しないと批判されますが、それは正しいかもしれません。自分の考えではビットコイン自体が価格となるので、ビットコインに適正価格はありません。
1BTC = 1BTC
一方で、ビットコインの価格上昇は望ましいものです。ビットコイナーであれば価格上昇で喜ぶのはフィアット思考だからダメみたいな論調もありますが、僕の妄想ストーリーではビットコインの価格上昇なくしてHyperbitcoinizationも起きないし、法定通貨の不公平な搾取構造も終わりません。歴史の転換点には必ず苦痛や混乱が伴います。
ビットコインの価格や時価総額は、ビットコインスタンダードの時代が近づいているかを確認するための1つの指標だと思います。
書いていて思ったのは、改めてビットコインの市場は法定通貨の購買力だなと思ったのと、貨幣として使えるという性質は非常に重要だなと思いました。
もし貨幣として使えなければ、Hyperbitcoinizationの時に大混乱が起きますし「今日からどのように決済をしよう」と困り果ててしまうことでしょう。(そもそも貨幣的性質が無ければHyperbitcoinizationが起きない可能性もありますが)
ビットコインのオンチェーンでは処理可能なトランザクション数に限りがありますし、Lightning Networkを含めたオフチェーンソリューションなどはやはり必要だなと思います。
僕の妄想が本当に起きてしまうのであれば、今のビットコインに価格が付いている時代というのは人類史で見ても珍しい時期なのかもしれません。
これからビットコインの価格のアップダウンが激しくなってきて、数値ばかりを追うと精神的に疲れる人も増えてくるかと思います。
みなさんもぜひ、将来的にビットコインがどのような存在になっていくかを考えてみてください。ビットコインに限りませんが、自分なりの仮説や考えを持つことができると精神的に安定するかと思います。
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